カスタマーサクセスとは何か?|顧客の成功が自社の成功!

カスタマーサクセス
カスタマーサクセスとは何か?|顧客の成功が自社の成功!
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「カスタマーサクセス」ということばがビジネスの場でよく聞かれるようになりました。
カスタマーサクセスはいま非常に注目されている営業プロセスです。

この記事ではカスタマーサクセスとは何か、その基本から詳しく解説します。

「カスタマーサポートと何が違うの?」「自社の営業活動にも活かすことはできる?」
などの疑問をお持ちの担当者様にも役に立つ内容になっていますので、ぜひ最後までお読みください。


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カスタマーサクセスは営業プロセスのひとつ

オペレーター女性

カスタマーサクセス(Customer Success)とは、さまざまなアプローチによって顧客の成功体験に関わるという新しい営業手法で、主にサブスクリプションサービスなどのBtoBビジネスで用いられます。
カスタマーサクセスは営業活動を4つに分業して行う際のプロセスのひとつであり、営業チームの一部門でもあります。
この分業体制は、元々Salesforce社で定義・実践されているもので、日本では「THE MODEL(ザ・モデル)」(福田康隆著 翔泳社)で紹介されたことをきっかけに知られるようになりました。

具体的には営業活動を次の4つに分けます(営業チームの中の4部門と考えると良いでしょう)。

  • マーケティング
  • インサイドセールス
  • フィールドセールス
  • カスタマーサクセス

まずマーケティングからフィールドセールスの役割までを簡単にご紹介します。

マーケティング

マーケティングではリード(見込み客)を獲得する営業活動を行います。
広告やセミナー等で、サービスや商品に関心のあるリードを獲得し、次のインサイドセールス部門に引き渡します。

インサイドセールス

インサイドセールスは直訳すると「内勤営業」で、マーケティング部門から引き継いだリードを育成します(リードナーチャリング)。
電話・メール・ウェビナーなどの手段で、リードの検討フェーズに合わせたアプローチを行い購買意欲を高めます。
成約確度の高まったホットリードはフィールドセールスに回し、反応の悪いリードに対しては、ある程度の長い目で見つつ丁寧なヒアリングなどのコミュニケーションを継続していきます。

フィールドセールス

いわゆる従来の外勤を主とした営業手法やその担当部門のことです。
インサイドセールス部門から引き継いだ受注確度の高いリードに対し、最終的な商談を行いクロージングします。
つづいてカスタマーサクセスについて詳しく解説します。


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カスタマーサクセスの具体的な業務

カスタマーサクセスの業務は顧客の成功にスポットを当てたアプローチ

カスタマーサクセスは、成約が決まった顧客に対してアプローチし、顧客の成功体験を支援します。
具体的な業務は次に挙げる4つです。

  • オンボーディング支援
  • 継続・定着への支援
  • 課題のヒアリング
  • 顧客の成功とアップセル・クロスセル

ひとつずつ説明します。

オンボーディング支援

オンボーディングとは、元々は乗組員が飛行機や船に乗っている状態を示す言葉で(on-boarding)、ビジネスでは顧客を乗組員・サービスを乗り物に例え「顧客によるサービス利用が軌道に乗る」という意味で使用されることがあります。
カスタマーサクセス部門は、フィールドセールスにより顧客との契約が成立したあと、SaaSなどのツールが問題なく導入されるまでサポートします。
導入にあたって使い方の不明点などを解消し、顧客がスムーズに使いこなすことができる状態にすることで、その後の継続可能性を高めます。

継続・定着への支援

無事に導入が済んだあとは、顧客が気づいていないような効率的な使い方やビジネスへの活用方法などについてもアドバイスを行います。
不安や不満はその都度解決しながら、デジタルアダプション*も含め、ツールが継続して利用され定着するまで支援します。
その結果サービスのチャーンレート(解約率)を下げ、リテンションレート(継続率)を上げることにつながります。
*デジタルアダプション…ユーザーが正しくソフトウェアを使いこなせる環境を整えること。

課題のヒアリング

顧客が抱える現状の課題や大小の悩みをヒアリングすることで、ビジネスの成長につながるヒントを捉え、顧客の気づきをサポートします。
またさりげなく顧客の潜在ニーズを引き出します。

顧客の成功とアップセル・クロスセル

業績アップや業務効率化などに通じる解決策を提示し、顧客の成功体験をサポートします。
その過程で、別のサービスの購入や上位プラン移行などへの提案をすることで、アップセル・クロスセルを実現し、最終的にはLTV(Life Time Value=ライフタイムバリュー)を最大化していきます。
「顧客の成功」と「自社の成功」の両立を目指すことがカスタマーサクセスの本質といえるでしょう。


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カスタマーサクセスとカスタマーサポートでは何が違う?

ではカスタマーサクセスとカスタマーサポートでは何が違うのでしょうか。
どちらも顧客に関わる業務で名前も似ていますが、大きく異なるのはカスタマーサクセスは顧客対応が「能動的」であるのに対し、カスタマーサポートは「受動的」という点です。
より詳しく見てみましょう。

カスタマーサクセスの顧客対応

カスタマーサクセスは、顧客に自ら能動的にコンタクトを取って、サービスの活用でつまづいていないか、解決したいビジネス上の困難はないかなどを把握します。
その上で「このようなサービスの活用方法もありますよ」というアドバイスから「その問題ならこちらの上位プランにすることで解決できます」などの提案まで行います。

カスタマーサポートの顧客対応

一方カスタマーサポートは顧客からの問い合わせやクレームなどがない限り動くことはなく、あくまで受動的です。
そのため顧客がサービス内容に不満を持っていたとしても、その状況を把握できないままに他社サービスへと乗り換えられてしまうこともあるでしょう。

また以上のような業務の違いからそれぞれに求められるスキルも変わってきます。
カスタマーサクセスは、自社のサービスのみならず、競合他社など業界全体のサービスや動向に精通していなければ業務が遂行できませんが、カスタマーサポートは自社製品のみに詳しければ問題ありません。
カスタマーサクセスは高いヒューマンスキルも必須です。
特に課題解決の姿勢やリーダーシップが必要となるでしょう。
そのため人材登用や教育についても、カスタマーサクセスとカスタマーサポートでは大きな違いがあると言えます。


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なぜ今カスタマーサクセスが注目されるのか

Saasの台頭を示した図

なぜ近年カスタマーサクセスに注目が集まっているのでしょうか。
その原因となる背景は以下の通りです。

  • サブスクリプションビジネスの拡大
  • 成熟した市場での競争

詳しく説明します。

サブスクリプションビジネスの拡大

従来の営業活動の多くは、原則的に契約がゴールという「売り切り」スタイルでしたが、最近ではBtoCビジネスのみならずBtoBビジネスにおいてもSaaS(software as a service:サース)などのサブスクリプションという契約スタイルが主流になってきました。

サブスクリプションモデルは、一度に大きな売上金を得るのでなく、毎月の利用料など薄利を積み重ねることで収益化をしていきます。
そのため成約後のチャーンレート(解約率)が高ければ、いくら新規開拓を進めることができても収益は上がりません。
そこでカスタマーサクセスが顧客の継続支援やアップセル・クロスセルを担う必要が出てきたのです。

成熟した市場での競争

今や市場は成熟して良質なプロダクトに溢れ、選択肢が増えました。
またインターネット上に比較サイトやランキングサイトが乱立し、少し検索すれば買う側が簡単に比べることができる時代に入っています。

たとえば自社の開発したアプリやソフトウェア自体に自信があり売ること(契約すること)に成功しても、他社も似たようなものを続々とリリースしていれば顧客側から差別化しにくく、目移りもします。
既存顧客が他社に乗り換えるのを防ぐために、囲い込むような戦略も進むでしょう。
グローバル化した市場で企業が他社との競争で優位に立つためには、成約後も積極的なアプローチでCX(カスタマーエクスペリエンス=顧客体験)をサポートすることが求められているのです。


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カスタマーサクセスのKPI・KGI

カスタマーサクセスのKGIとKPIと書かれたブロック

カスタマーサクセスを自社の営業活動に取り入れる場合、KPI(Key Performance Indicator=重要業績評価指標)やKGI(Key Goal Indicator=重要目標達成指標)には次の3つを取り入れると良いでしょう。

  • 解約率(Churn Rate=チャーンレート)
  • LTV(Life Time Value=ライフタイムバリュー)
  • NPS(Net Promoter Score=ネットプロモータースコア)

ひとつずつ説明します。

解約率(チャーンレート)

契約にこぎつけたサブスクリプションなどのサービスは、いかに長期間契約を継続してもらうかが自社へ入る収入に大きく影響します。
したがって解約率を下げるためのアプローチはカスタマーサクセスにとって非常に重要な活動です。
なお解約率(チャーンレート)には次のような種類があります。

・カスタマーチャーンレート (顧客数ベース)

算出方法:一定期間に解約した顧客数 ÷期首の顧客数×100(%)

・アカウントチャーンレート (企業数ベース)

算出方法:一定期間に解約した企業アカウント数 ÷ 期首の企業アカウント数×100(%)

・グロスレベニューチャーンレート (損失額が対象)

算出方法:一定期間の損失額 ÷ 期首のMRR(月間定期収益)×100(%)

・ネットレベニューチャーンレート (損失額と利益額が対象)

算出方法:(一定期間に失ったMRR -同期間に増加したMRR) ÷ 月初のMRR×100(%)

 LTV(Life Time Value=ライフタイムバリュー)

LTVは顧客生涯価値と訳され、一人または一社の顧客が取引期間を通して企業にもたらす利益のことです。
カスタマーサクセスによって取引が継続すれば安定した売り上げが続き、アップセル・クロスセルを促すことでプラスアルファの収益も向上します。

LTVの算出方法にはいくつかあり、たとえば次のような計算式を用います。

  • LTV=顧客の平均単価×粗利÷解約率
  • LTV=顧客の年間取引額×収益率×契約年数

NPS®(Net Promoter Score=ネットプロモータースコア)

NPS®はベイン・アンド・カンパニー社(コンサルティング会社)によって考案された顧客ロイヤリティ(顧客推奨度)を測る指標です(「NPS®」は登録商標)。
顧客に対し「あなたがこのサービスを知人に勧める可能性」を0〜10の数値で問い、その推奨度を次の3つに分類します。

  • 推奨者(9点以上)
  • 中立者(7~8点)
  • 批判者(0~6点)

NPS®が大きいほどそれだけ顧客満足度も高く、サービスに愛着を感じてくれていると言えます。
契約の継続やアップセル・クロスセルの可能性が高まり、さらに新たな顧客の獲得につなげることもできるでしょう。
そのほかにもNRR(Net Revenue Retention=売上継続率)など、自社の業態に合ったKPIを採用することで、カスタマーサクセス部門をマネジメントすることが可能です。


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カスタマーサクセスを成功させるために

カスタマーサクセスの成功(顧客の成功)に向けて進むビジネスマン

カスタマーサクセスは、「顧客の成功」への貢献こそが「自社の成功」に寄与するというチャレンジしがいのある営業プロセスです。
ただしまだ日本で広く浸透している手法とはいえず、自社に導入するにあたって運用に戸惑う企業も多いようです。

カスタマーサクセスそのものを成功に導くためには、次のような点に留意すると良いでしょう。

他部署と連携しながら取り組む

マーケティング・インサイドセールス・フィールドセールスの各部門との連携を密にし、ワンチームで営業活動に取り組みましょう。

ヘルススコアの測定

ヘルススコア*を測定し、スコアが低い場合はアプローチをして対策をとりましょう。
*ヘルススコア…顧客が自社サービスを離脱せず継続利用してくれるかどうかを測る指標。チェック項目はログイン回数やNPSなどのアンケートの回答内容、イベント参加率など。

顧客情報の把握・活用

顧客への適切なコンタクトで情報を徹底的に把握し、有効に分析・活用しましょう。
SFA/MA/CRMなどの営業支援ツール・顧客管理ツールで集めた情報を共有・可視化し、データドリブンな環境を作ることで、効率的に活動できます。

ユーザーコミュニティの運営

ユーザーコミュニティではユーザー同士で問題解決をしたり成功体験を共有したりできます。
コミュニティにより満足度が上がるとともに顧客の仲間意識が深まり、離脱を防ぐことにも期待できるでしょう。

顧客を分類し対応を分ける

顧客の状況に合わせて柔軟に働きかけることが理想ですが、割くことのできる時間と人的リソースには限りがあります。
たとえば顧客をLTV見込みの高い順に3つのグループに分類してリストを作成し、ハイタッチ・ロータッチ・テックタッチのようにサポートの手厚さを変えると良いでしょう(ハイタッチがいちばん手厚く、ロータッチはその次、テックタッチは一般顧客へのサポート)。
メリットの大きさを見極め、的確なアプローチを行いましょう。

最適な人材の登用

カスタマーサクセスは広範で深い知識と高度なコミュニケーション能力を必要とします。
任務に最適な人材を見極めて登用することが、成功と失敗を分ける鍵のひとつとなるでしょう。


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カスタマーサクセスをプロセスごと外注するのも一案

ここまでカスタマーサクセスの概念について詳しく解説してきました。
「所有」から「利用」へと消費者の考え方や行動が変化している今、カスタマーサクセスの果たす役割は大きくなっています。
今後自社の組織に取り入れることを検討する企業様も多いでしょう。

「メリットは分かるけれど、体制を大きく改革することに抵抗がある」
「中小企業でもカスタマーサクセスで成果が出せる?」
「社員の中にベストな人材が見つからない」

などさまざまな理由で一歩が踏み出せないという場合は、「カスタマーサクセス」というプロセスを外注することも一案としておすすめできます。

facingはリード獲得後の一次商談、クロージング、カスタマーサクセス(既存顧客対応からアップセル・クロスセルまで)など一連の営業活動をお引き受けすることが可能です。
カスタマーサクセスに関する豊富な知識とスキルを持つ人材も手配いたします。

最適なチームで貴社のビジネスの成長にコミットします。
まずはお気軽にご相談ください。

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