カスタマーセールスという概念
カスタマーサポート・カスタマーサクセスを進化させた 営業型CSとは
かつては「カスタマーサポート」「カスタマーサービス」を略語として仕様されてきた「CS」。
2021 年より拡大したパンデミックの影響や、それに伴うビジネスモデルの変化や、営業活動の分業により、今や「カスタマーサクセス」「カスタマーセールス」の略語として目にする機会の多い言葉となりました。
本コラムではこれら3つの「CS」について、その変遷を辿りながら、言葉の概念を探っていこうと思います。
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目次
カスタマーサポート(Customer Support)とは
1つ目の「CS」とはして、カスタマーサポート(Customer Support)をご紹介します。
カスタマーサポートとは、顧客からの問い合わせに対応する業務であり、それを担う部門のことを指します。
「コールセンター」や「お客様窓口」などとも呼ばれ、顧客との接点が多く、顧客と企業を繋ぐ窓口の役割を担うのがカスタマサポートです。
カスタマーサポートの主な業務内容は、自社のプロダクトやサービスに関して、顧客が抱える悩みや苦情をいち早く把握し、解決することです。
迅速な課題解決により、商品やサービスに対する顧客の満足度を損なうことなく、解約(チャーン)を阻止する狙いがあります。
カスタマーサポートの問題点
カスタマーサポートは、基本的には顧客からの問い合わせを受ける受信専用のインバウンド型の業務です。
つまり、その構造上カスタマーサポート部門での利益は見込めず、コストセンターとなっているのが一般的です。
そしてカスタマサポートのコストセンター化を防ぎ、利益獲得を期待できるプロフィットセンターへと舵切りを促す概念が、後述する「カスタマーサクセス」なのです。
カスタマーサクセス(Customer Success)とは
2つ目の「CS」は、カスタマーサクセス(Customer Success)です。
増加するサブスクリプションモデルのビジネスを背景に、近年聞かれ始めたポジションが「カスタマーサクセス」です。
SaaS企業や欧米企業を発端に導入され始めた比較的新しい概念で、その役割に注目されています。
カスタマーサクセスを直訳すると「顧客の成功」になりますが、その目的は自社プロダクト・サービスを通じて、顧客を成功体験に導くことです。
そのためには顕著化された顧客の課題を満たす受動的なサポートではなく、顧客が持つ潜在的課題に対して、能動的に働きかけねばなりません。
顧客が成功体験を得られるように、先回りし課題を解決することで、顧客はプロダクトやサービスに対してロイヤルティ(愛着)を持つようになります。
このように既存顧客の満足度を高めることで、サービスの継続利用・契約更新が見込めるようになり、結果として解約率(チャーンレート)の低下、LTV(Life Time Value/顧客生涯価値)を上がり、収益増加に繋がるのです。
カスタマーサポート | カスタマーサクセス | |
---|---|---|
目的 | 問題解決・クレーム処理 | 顧客の成功体験 |
スタンス | 受動的 | 能動的 |
期間 | 短期 | 長期 |
KPI | 対応件数・解決数・満足度 | 売上・解約率・NPS (顧客ロイヤルティー指標) |
関係部署 | 単独 | 複数部署との連携 |
コスト/プロフィット | コストセンター | プロフィットセンター |
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カスタマーサクセスの問題点
カスタマーサクセスは、商談 からのちに発生する業務であり、プロダクトやサービスの使用、顧客のゴールまで伴走することを求められます。
そのため、カスタマーサクセスがカバーせねばならない範疇が、広すぎることは問題点と言えるでしょう。
またカスタマーサクセスは、通常のカスタマーサポートの役割も担っており、顧客からのクレームやトラブル、また導入時のオンボーディングなどにも臨機応変に対応せねばなりません。
これらから、カスタマーサクセス部門では簡単に人的リソースの不足に陥ってしまい、解約(チャーン)阻止できれば御の字、アップセル・クロスセルを狙うことは実現し難いというのが現状なのです。
さらにカスタマーサクセスは、営業職などのコア業務からアサインされた人材ではなく、多くはノンコア業務から起用されており、そもそも営業スキルが不足している点もアップセル・クロスセルに結びつかない理由のひとつとして挙げられるでしょう。
カスタマーセールス(Customer Sales)とは
3つ目の「CS」とは、カスタマーセールス(Customer Sales)です。
カスタマーセールスとは既存顧客にのみセールスを行う営業部門のことです。
このカスタマーセールスは他部署との兼任は行わず、既存顧客へのアップセル・クロスセルにのみ特化した営業組織です。
カスタマーサクセス部門のみならず、MA・SFA・CRMなどマーケティング支援ツールを利用しながら、インサイドセールス・フィールドセールス部門などとも連携し、既存顧客にこれまで行ってきたヒアリングを緻密に収集します。
顧客の課題感やゴール感をもう一度精査し、長期スパンにおいての顧客の成功を達成すべく、アップセル・クロスセルのみならず、新たなビジネス、新たな価値を創出し、顧客へ「クロージング」していくことが狙いです。
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いかがだったでしょうか?
今回は3つの「CS」について、その変遷を辿りながら、それぞれの概要をご説明いたしました。
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