人材派遣のビジネスモデルとは?種類や市場規模の推移、利用するメリットを徹底解説

人材派遣
人材派遣のビジネスモデルとは?種類や市場規模の推移、利用するメリットを徹底解説
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人材派遣のビジネスモデルを採用することで、企業は柔軟な労働力を確保でき、プロジェクトや業務のピーク時に迅速に対応することができます。
また、専門的なスキルが必要な仕事に対しても短期間で質の高い人材を確保することができるため、コスト効率も大幅に向上します。

しかし、人材派遣では法律で禁止されている派遣形態や取り扱うことができない職種もあるため、利用する際は注意が必要です。

本記事では、人材派遣の種類や人材紹介との違い、メリットについて詳しく解説します。
人材派遣を利用したいと思っている企業担当者や、人材業界の将来性が気になる方は最後までご覧ください。


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人材派遣業のビジネスモデルとは

人材派遣とは、企業(派遣先)が一時的な人手不足を補うために厚生労働省から許可を受けている人材派遣会社(派遣元)を通じて、必要なスキルを持った人材や求職者(候補者)を短期間だけ雇用するビジネスモデルです。
派遣元会社は自社に登録している人材を企業(派遣先)に派遣し、その対価として派遣料金を得るという仕組みになっています。

派遣期間には法的な制限があり、最長で原則3年間と定められています。
労働者派遣事業は2015年(平成27年)に許可制に統一され、厚生労働省の許可を取得しなければ運営できなくなりました。

以下の派遣形態も法律で禁止されているため、注意しましょう。

  • 医師など専門性が高い職業への派遣
  • 日雇い派遣
  • 二重派遣

参考:しくみと法律 | 一般社団法人日本人材派遣協会 (jassa.or.jp)

派遣される人材は派遣会社の正式な従業員として登録されており、様々な企業のプロジェクトや多数の業務に対応します。
派遣社員の雇用主は企業側ではなく人材派遣会社のため、給与の支払いや福利厚生は人材派遣会社が担当します。

人材派遣の種類

求職中の場合、人材派遣会社の利用を検討する場合も多い。ほかにも職業紹介事業なども注目されている。

人材派遣には以下の3種類があります。

  • 登録型派遣
  • 紹介予定派遣
  • 常用型派遣


それぞれ解説していきます。

登録型派遣

登録型派遣は、派遣スタッフが人材派遣会社から派遣先企業に一定期間派遣され、派遣先企業の指示の下で働き報酬を得る形態です。
登録型派遣は契約開始と同時に派遣元企業と契約を結び、派遣期間中は派遣元企業の従業員として一定の業務を遂行します。

派遣期間は数週間から数か月(最長3年まで)に及ぶことが一般的です。
勤務時間や場所の自由度が高く、未経験でも複数の職場や仕事を経験できることがメリットです。

一方デメリットは、派遣スタッフが希望している職種に最適のタイミングで働けるわけではなく、退職金は受け取ることができないなどが挙げられます。

紹介予定派遣

紹介予定派遣は、派遣スタッフが一定期間派遣され、派遣期間終了後に派遣先企業と派遣スタッフ双方の合意を満たすことができれば正式な従業員として直接雇用に移行することを前提とした派遣形態です。

最初に人材派遣会社が派遣スタッフを派遣先企業に紹介し、派遣スタッフは最長6ヶ月間、一定の業務に従事します。
派遣スタッフは実際の職場環境や仕事内容を体験することにより、自分はその職場に適正かどうかを事前に判断することができます。

企業にとっても、新しい正社員を採用する前に派遣スタッフの能力や職場への適応性をじっくりと評価できるため、ミスマッチのリスクを大幅に減らせる利点もあります。
採用におけるコストと時間を削減することも可能です。

紹介予定派遣を利用する際は、適切な資格や許認可を保持していないと人材派遣業の許可が取り消されるリスクや罰金が科される可能性があります。
そのため、正しい手続きを遵守することが極めて重要です。

常用型派遣

常用型派遣は、派遣スタッフが人材派遣会社と無期限の雇用契約を結ぶ雇用形態です。
派遣元である人材派遣会社の正社員または契約社員として雇われるため、派遣先企業との契約が終了しても給与が支払われます。
一般的に月給制であることが多く、安定した収入を得られることがメリットです。

その反面、登録型派遣と違い人材派遣会社が派遣先企業を決定するため、派遣スタッフ個人の希望や選好を完全に反映させることが難しい場合があります。
常用型派遣は専門性の高い求人が多いため、求められるスキルレベルも高く設定されています。

特定の専門分野や技術に熟達していないと求人に応募すること自体が難しいですが、キャリアアップを考えている人にはおすすめと言えるでしょう。


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人材派遣と人材紹介のビジネスモデルの違い

人材紹介は上手くいけば、社員になれるため人気がある。リクルートやビズリーチが有名。

人材派遣と似た言葉で、人材紹介があります。
人材派遣と人材紹介の違いは何でしょうか。

  • 仕組み(ルール)
  • 収益構造
  • 営業利益率


項目別に説明します。

仕組み(ルール)

先述のとおり、人材派遣は求職者が人材派遣会社と雇用契約を結び、派遣先企業で就業します。
派遣先企業からマージンを得て事業展開をするのが、人材派遣会社のビジネスモデルです。
人材派遣会社は派遣社員の給与支払い、社会保険の手続き、その他の労働者福利の管理をおこないます。
特定の業務に対してのみ労働力を利用するため、直接雇用するよりも人事管理の負担が軽減します。

一方で、人材紹介は一般的には「有料職業紹介」を指す言葉です。
厚生労働大臣から許可を受けている人材紹介会社が転職希望者(求職者)に該当する案件を紹介し、エージェントやプラットフォームを介して企業とマッチングさせるビジネスモデルです。

転職希望者(求職者)が人材紹介会社に登録すると、専門のエージェントが求職者のスキルや経験、希望条件に基づいて適切な企業を紹介します。
企業と転職希望者(求職者)の双方がマッチングに同意した後、転職希望者(求職者)が実際にその企業に雇用されると、企業は人材紹介会社に対して紹介手数料を支払う仕組みです。

また、人材紹介会社は企業のニーズに合った人材をスカウトすることもあります。
例えば特定のスキルセットを持った専門職や、管理職以上のハイクラスな人材をヘッドハンティングすることも一般的です。
これにより、企業は求める人材を迅速かつ効果的に確保することができ、転職希望者(求職者)も自分のキャリアを次のステージに進める機会を得ることができます。

収益構造

人材派遣業の主な収益源は、派遣先企業が派遣会社に支払う料金です。

派遣料金に一律の決まりはなく、業務の専門性の高さなどで金額が決まります。
人材派遣会社は派遣先企業に労働者を派遣し、労働者の時給金額と労働時間(1ヶ月単位など)に基づいて請求します。

人材紹介業の収益源は、主に求職者が採用された際の手数料で算出します。
一般的に、多くの派遣先企業が労働者の想定年収の20~35%の割合を相場とする届出制手数料を選択しています。
そのため、派遣先企業が求職者を採用して入社しない限り、人材紹介会社は収益を得られません。

両モデルの最大の違いは、人材派遣業が継続的な労働提供に基づいて収益を得るのに対し、人材紹介は職業マッチングの成功に基づいて収益を得る点です。

営業利益率

人材派遣業における「営業利益」とは、売上高から売上原価および販売費・一般管理費といった経費を差し引いた金額を指します。

売上原価は派遣スタッフに支払われる賃金や関連する費用を指し、社会保険料や交通費などです。
経費には派遣労働者の研修費や求人広告費などが含まれます。

人材派遣業の営業利益率は人材紹介業よりも一般的に低い傾向にあり、1.2%程度となります。
一方、人材紹介業の営業利益率は人材派遣業よりも高い傾向にあります。
これは人材を直接雇用しないため固定コストが少なく、成功報酬が高額であるためです。

人材紹介業の営業利益率はおおよそ20~35%程度で推移しています。
このため、人材紹介の方が収益性は高いといえるでしょう。

人材業界の市場規模と今後の動向

人材派遣では、直接人材を雇用するわけではないため、リスクの回避になる。

ここからは、人材派遣事業・人材紹介事業を含めた人材業界の市場規模と今後の動向について説明していきます。

人材業界の市場規模

株式会社矢野経済研究所が発表した2022年度の人材関連ビジネスの主要3業界市場(人材派遣業・ホワイトカラー職種の人材紹介業・再就職支援業)に関する調査結果を見ると、2018年から2022年までの事業者売上高ベースで毎年増加傾向にあることが明らかになっています。

経済成長とビジネス環境が変化するなかで、テクノロジーの進化やグローバル化の進展により、企業の業務内容や必要とされるスキルが急速に変化しています。
この状況に対応するため、多くの企業が柔軟な雇用形態を採用するようになり、必要なスキルを持った人材を迅速に確保できる人材派遣や人材紹介の需要が高まっています。

多様化する企業の人材ニーズに応える形で、転職に関わる人材業界全体の市場規模は今後も拡大を続けると予想されています。

各企業が柔軟で効果的な人材戦略を構築するためには、人材関連サービスの活用が今後も重要となるでしょう。

参考:人材ビジネス市場に関する調査を実施(2023年)|株式会社矢野経済研究所

人材業界の今後の動向

人材業界は、景気の波に敏感に反応する特徴があります。

バブル経済期には有効求人倍率が高水準を推移していましたが、その後のバブル崩壊やリーマンショックなど、いわゆる「職業氷河期」と呼ばれる時代が到来しました。
さらに新型コロナウイルスのパンデミックは、一時的な経済活動の停滞や雇用の不安定化を引き起こし、人材業界にも大きな影響を与えました。

それでも、人材業界市場そのものは基本的には堅調を保ち、多くの企業がリモートワークやフレキシブルな働き方への移行を迫られたことで、短期的なプロジェクトや一時的な業務のサポートを求める需要が増加したのです。

景気の変動や社会的な変化にも人材業界は柔軟に対応し続け、市場は今後も成長していくと予測されています。


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人材派遣のメリット

人材派遣のメリットは主に以下の3つです。

  • 人材を柔軟に調整できる
  • コスト削減につながる
  • 専門性の高い人材を最短で確保できる


一つずつ解説します。

人材を柔軟に調整できる

人材派遣のメリットは、企業が人材を柔軟に調整できることです。
人材派遣業では、特定の職種に特化した特化型と様々な求人を網羅している網羅型が存在します。

例えば、期間限定で特定の技術が必要な場合や、季節による需要の変動が大きい業種で急に人手が必要になったときには、特化型の人材派遣会社で短期間で迅速に人材を確保できます。
これにより、新たな技術を学ぶための時間やコストを削減し、プロジェクトを迅速に進めることが可能になります。

長期的な雇用契約に比べて、労働力の調整がしやすいことも人材派遣の大きな利点です。
基本的に企業が正社員を雇用する場合、解雇には法的制約や社会的責任が伴います。

一方、人材派遣では派遣契約の期間が終了またはプロジェクトが完了することで、自然と雇用関係が終了します。
これにより、企業は人材雇用の調整をより柔軟に行うことができます。

コスト削減につながる

人材派遣は派遣先企業にとってコスト削減にもつながります。
通常、従業員の採用にかかる主なコストは以下の通りです。

  • 求人広告の掲載
  • 履歴書のスクリーニング
  • 面接の実施
  • 採用後のトレーニング

これらの多くの手続きや工数を人材派遣会社が一手に担います。

人材派遣会社は既にプールされたスキルを持つ労働者を抱えており、企業のニーズに合った人材を迅速に提供できるため、企業は採用にかかるコストと時間の節約が可能です。

また、派遣社員は人材派遣会社の従業員であり、労働関連の法的責任や社会保険、税の処理も派遣元の人材派遣会社が負担するため、人件費削減にもつながります。

専門性の高い人材を最短で確保できる

人材派遣会社には、異なる業界や分野で経験を積んだ専門性の高い人材も登録しています。
ゆえに、特定の資格や技術が求められる業務に迅速に対応した事業運営が可能です。
登録者は異なる業界や分野において即戦力としての能力を持ち合わせており、企業は必要とするスキルを持つ人材を最短で確保できます。

また、専門知識を持つ人材の活用は全体的な業務の質を向上させ、より効率的な運営を実現します。
その結果、コスト削減や生産性の向上も期待できるでしょう。

人材派遣ならfacing

今回は、人材派遣業のビジネスモデルについてや人材紹介との違いについて解説しました。
人材派遣がどのように企業の人材確保や経営戦略に役立てられているかにも焦点を当てています。

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