人材派遣営業とは?仕事内容や年収相場、キャリアパスまで解説!
人材派遣会社の営業の仕事と聞くと、どんなイメージを持たれるでしょうか?
人材派遣業の中でも、営業職はさまざまな企業や人材と関わることができ、結果を出した分だけ評価されるやりがいのある仕事といわれています。その一方で「きつい」という声もよく聞かれるかもしれません。興味はあっても続けられるか心配、という方もいるのではないでしょうか。
昨今、多くの業界において人手不足が叫ばれており、それによって人材派遣業の需要増加が注目されています。
今回はそんな人材派遣業の中でも、企業と人材を繋ぐ人材派遣会社の営業職について解説していきます。
人材派遣営業の具体的な仕事内容や向き不向きをはじめ、気になる年収相場やキャリアパスまで詳しくご紹介していきます。
人材派遣営業に興味がある方や転職を考えている方であれば、しっかりと把握しておきたい部分でしょう。ぜひ参考にしてください。
目次
人材派遣営業とは?
人材派遣会社の営業の仕事とは、派遣先企業と契約を結んだり、すでに契約している企業に就業中の派遣社員のフォローをしたりすることです。
人材派遣会社と派遣先企業、そして派遣社員を繋ぐ重要な役割を担っており、自社と相手双方の利益を確保する姿勢が求められます。
一般的に営業職は男性が多い中、人材派遣会社の営業担当は女性が多いという特徴があります。
派遣社員には女性が多いことから、同性ならではの就業面の理解や細かくフォローすることが求められるためでしょう。
人材業界自体は未経験でも無形商材の法人営業の経験者であれば、転職市場での価値も高く、活かせるスキルも多いため有利とされています。
上記のような専門スキルがなかったとしても、人材派遣営業自体に向き不向きがあり、働きたいという気持ちを重要視する企業側のスタンスから、未経験でも挑戦できる業種といえるでしょう。
最高のカスタマーチームを、今すぐ手に入れよう。
BPO事業で、お客様の働き方の変革をサポートいたします。
コア人材をアサインしにくいレイヤーだからこそ、外注化で質を上げる選択を。
人材派遣営業の仕事内容
人材派遣営業の仕事内容はさまざまで、新規顧客開拓や取引先のフォロー、さらなる売上げに繋げる業務などがあり、大きく3つに分けられます。
- 新規開拓業務
- ルート営業業務
- マッチング業務
一つずつみていきましょう。
新規開拓営業業務
新規顧客に人材派遣の活用を提案し、コンサルティングを行う業務です。
いわゆる「飛び込み営業」と言われるのがこの新規開拓営業で、テレアポなどもこの新規開拓営業に含まれます。
「飛び込み営業」と聞くと闇雲に当たって砕けろ的な泥臭いイメージを持たれることも多いかもしれませんが、昨今ではコンサルティングを併せて行う「計画的な営業」が重要とされてきています。
新規顧客に対してヒアリングをし、人材派遣の活用を提案したりコンサルティングをしたりする業務で、お客さまの要望にレスポンスよく誠実に徹底して対応し、課題発見・問題解決することが求められるため、企業の最前線での活躍が期待できます。
ルート営業業務
新規開拓営業で求人を獲得するだけではなく、既に派遣されているスタッフや派遣先企業のフォロー・アプローチをかけるのがルート営業業務です。
派遣先企業に、既に契約を結んでいる顧客に対し、要望を聞いたり、人員やポジション増員などの提案をします。また派遣スタッフの相談事や希望を聞いて、長く働いてもらうためのアドバイザー的なフォローも業務の一つです。
マッチング業務
人材募集をしている企業に対し、登録している派遣スタッフの希望条件や適正にできるだけ則した働きやすい求人を紹介し、マッチングしていく業務です。
一人一人と向き合い、しっかりとヒアリングし、求める働き方や過去の経験から職場への不満などを洗い出し、人材をより活かせる職場を紹介するのが目的です。
人材派遣営業の1日のスケジュール
人材派遣営業の業務は外回りが多くなります。営業先の都合や状況に合わせて時間が大きく前後しますが、日中は外出していることがほとんどでしょう。
基本的な1日の仕事の流れの一例をご覧ください。
9:00 :出社、打ち合わせ、テレアポ
10:00:外回り営業
12:00:昼食
13:00:外回り営業
17:00:帰社、打ち合わせ、事務作業
19:00:退社
また、外回りの営業では新規開拓・ルート営業以外にも、派遣スタッフが派遣先企業に初出社する際に同行するなどもあります。
実際に顧客と対面する外回り営業がメインとなることで、働き方の面で非常にフレックスな部分が多いことも特徴です。休憩時間の選択肢を自身で広げやすいのは利点といえるでしょう。
人材派遣営業の年収相場
人材派遣営業の仕事内容をご紹介してきましたが、ここからは実際の年収相場をみていきましょう。
人材派遣業の平成26年度の平均年収は496万円で、年収相場は、400万~600万円程とされています。業績次第で賞与の額が変動するため、振り幅がある業種といえるでしょう。
インセンティブ制度を採用している企業が多いことから、成果次第では年収1,000万円を超えるケースもあります。
成果さえ出せれば大幅に年収がアップするという、営業職の特徴が色濃く出ている仕事です。
加えて、人材派遣会社の営業は、営業成績を提示しやすいのが特徴です。さらなるキャリアアップや将来的なキャリアチェンジに役立つことで注目されています。
最高のカスタマーチームを、今すぐ手に入れよう。
BPO事業で、お客様の働き方の変革をサポートいたします。
コア人材をアサインしにくいレイヤーだからこそ、外注化で質を上げる選択を。
人材派遣営業に向いている人
人材派遣営業に向いている人の特徴をまとめました。
- 営業や企画宣伝のスキル、経験がある人
- コミュニケーション能力が高い人
- 調査、分析ができる人
それぞれみていきましょう。
営業や企画宣伝のスキル、経験がある人
人材業界営業自体は未経験でも挑戦できる職種といわれていますが、無形商材の法人営業の経験者であれば、転職市場での価値も高く、活かせるスキルも多いため有利とされています。
業界未経験でも、営業や企画宣伝などの専門スキル・経験が評価されるなど個人の強みを活かせるでしょう。
コミュニケーション能力が高い人
新規開拓営業は決して簡単なことではなく、経験者だからといって誰しもが結果を出せるわけではありません。そのため、経験以上に、コミュニケーション能力の高さを重要視している企業も少なくありません。
人材派遣の営業職では、いかに取引先の心をつかむかが大切です。
営業経験がなくても、接客や販売などの経験で培った顧客のニーズをくみ取って提案するスキルは営業でも活かすことができ、さらに感謝されることでそれがまた新たな原動力となるでしょう。
調査、分析ができる人
人材派遣営業の業務には、企業の方向性や業界の状況・動向を調査するといった下準備も含まれます。
顧客に最適な提案をするために、普段から業界の最新の傾向や動向、景気の変動、顧客ニーズなどをしっかり把握する必要があり、そういった調査や分析に徹底して取り組むことができる方は人材派遣営業に向いています。
また、資料や報告書作成のためにExcelやPowerPointを使用することもあるため、基本のOAスキルを身につけておくことも有効です。
人材派遣営業に向かない人
一方で、人材派遣営業に適性がない人もいます。
- ストレス耐性がない人
- 愛想がない人
- 約束が守れない人
それぞれ解説していきます。
ストレス耐性がない人
人材派遣営業に向いているのは、メンタルが強い人やポジティブな人です。
人材派遣会社の営業は、営業職の中でも飛び込み営業が多く、断られるケースも少なくありません。
ストレス耐性のない人や、一つの出来事を深く受け止めて考え込んでしまう人は、やりがいよりストレスが大きいため、向いていません。
人材派遣会社の営業では、気持ちの切り替えが大切な要素の一つです。
愛想がない人
人材派遣の営業に限らず、営業職には親しみやすさが重要です。
人はコミュニケーションをとる際に、相手を「言語情報7%」「聴覚情報38%」「視覚情報55%」の割合で認識しています。これは、メラビアンの法則と呼ばれ心理学的に証明されています。
視覚情報が相手に与える影響力は高いため、 無表情で愛想がない人よりも、笑顔で親しみやすい人のほうが営業に向いています。
約束が守れない人
約束が守れない人は、人材派遣営業のみならず、営業職全般に向いていません。
営業において、顧客と約束した日時や期日を徹底して守ることは最低限のマナーで、一つのミスで相手との信頼関係が失われてしまいます。その影響は営業成績にも顕著に表れるでしょう。
約束した日時に確実に連絡や商談が行えるよう、細かなスケジュールのチェックや報連相は欠かさずに行いましょう。
人材派遣営業として働くメリット
人材派遣営業として働くことで、以下のようなメリットが考えられます。
- 体力やストレス耐性が身につく
- コミュニケーション能力が向上する
- 法人営業の経験を積める
一つずつご紹介していきます。
体力やストレス耐性が身につく
人材派遣会社の営業は、多くの企業を訪問し、さまざまな顧客と触れ合うことで、肉体的にも精神的にも体力が培われるのがメリットです。
外回り営業がメインであることから、突如として変わる天気や交通状況、さらには顧客の急な都合変更など、予期せぬ出来事に立ち向かわなければなりません。自分で考えて行動する「行動力」が身につきます。
イレギュラーなトラブル対応をクリアしていくことで、自身のストレス耐性や対応力は日々向上し、営業職だけでなく、ほかの仕事に転職した際にも役立つでしょう。
コミュニケーション能力が向上する
人材派遣営業を行う中で、幅広い業界や背景を持つ担当者や派遣スタッフとのコミュニケーションは欠かせないため、自身のコミュニケーション能力を磨く絶好のフィールドとなるでしょう。
顧客のニーズを深く探るためには高度なヒアリング技術を要します。また派遣社員のキャリアパスをサポートする際には、真摯なアドバイス能力が要求されるため、相手の心情を的確に捉え、明確に契約書に反映させるコミュニケーションスキルが欠かせません。
さまざまな顧客と携わる仕事のため、日常的にコミュニケーションの質を高めることが期待できます。
法人営業経験が認められる
人材派遣会社の営業に一度就くと、法人営業の経験が認められます。
人材派遣会社の営業職はBtoB取引を中心とする職種とされており、法人相手の商談経験は深い専門知識や戦略的な視点が要求されるため、他のビジネス領域とは異なる深みと幅を持っています。
法人営業の経験を通し、知識だけでは得られない現場ならではのテクニックが学べるでしょう。
また、人材派遣会社の営業は、営業成績を提示しやすいのが特徴です。さらなるキャリアアップや将来的なキャリアチェンジに役立つでしょう。
人材派遣営業として働くデメリット
人材派遣会社の営業として働く上では、やはりデメリットもあります。
- 契約が取れないと精神的にきつい
- 派遣スタッフ・派遣先へのフォローが大変
それぞれみていきましょう。
契約が取れないと精神的にきつい
人材派遣営業の仕事は、成果を上げるという目標を達成することで対価が得られますが、一方で契約が取れなかった場合、その目標を達成するために課せられたノルマが重くのしかかってくることもあります。
人材派遣業界はここ十数年で需要が一気に増えたため、競合が多い業界です。そのため、外部環境や市場の変動などの要因によってノルマの達成が難しくなる状況も考えられ、個人の負担となり、プレッシャーやストレスを引き起こす場合も少なくありません。
派遣スタッフ・派遣先へのフォローが大変
人材派遣会社の営業では、派遣スタッフ、派遣先とのコミュニケーションが必要不可欠です。そのコミュニケーションには、派遣前のヒアリング以外にも、派遣後のフォローも含まれます。
例えば派遣スタッフにも「派遣先が暑い(寒い)」や「管理職の指示の仕方が気にくわない」といった理由で、派遣先をすぐに辞めてしまうこともあり、
人によっては、家にいるときや休みの日にも仕事のことが頭から離れず、気が休まる時間がないということもあるようです。
派遣スタッフのことをよく理解して信頼関係を構築していくことで一時的な対応はできるかもしれませんが、根本的な解決には至らないかもしれず、それがストレスとなる可能性があることはデメリットの一つといえます。
最高のカスタマーチームを、今すぐ手に入れよう。
BPO事業で、お客様の働き方の変革をサポートいたします。
コア人材をアサインしにくいレイヤーだからこそ、外注化で質を上げる選択を。
人材派遣営業に必要な資格
人材派遣会社の営業には経験が歓迎されることもありますが、業界未経験でも個人の強みを活かせる職種です。
営業の仕事は、基本的に特別な資格などは不要で、先方とコミュニケーションを取りながらニーズに応えていく能力が何よりも大切になります。
特に資格を求められることは少ないですが、企業によっては車を使用することがあり、運転免許などが必須条件となることがあります。
また、資料や報告書作成のため、基本のOAスキルが必須な場合もあります。そのため応募条件はきちんと確認する必要があるでしょう。
人材派遣営業を経験したあとのキャリアパス
人材派遣営業を経験すると、法人営業経験が認められるので、別の法人営業につきやすくなります。さまざまな業界への転職に効率的に活かすことができるでしょう。
おもに、不動産営業、広告営業、建設業界営業、金融系営業、Web/IT業界の営業などがあり、例として不動産営業では、インセンティブ制度を導入している企業も多く、20代で年収1000万円も目指すことができます。
営業を通して経営や法律に触れる機会も多いことから、社労士や中小企業診断士といった資格を取得し、キャリアチェンジに挑戦する人も多く、
さらにスキルアップを目指し、平成28年4月より国家資格となった「キャリアコンサルティング技能士」を取得すれば、将来性をもつ希少な人材になることができるでしょう。
人材派遣会社の営業は企業とスタッフを繋ぐ存在
人材派遣会社の営業は、派遣スタッフの能力を見つけだし、その能力を活かせる派遣先とを繋ぐエージェントです。
人と接する仕事だからこそ大変な部分はありますが、どちらに対しても信頼関係を築くことで、成果が認められたこと、感謝されることによる喜びはひとしおです。
オフィス内での書類作成や電話営業から、客先への訪問などと忙しく、体力的にも精神的にもタフさが必須となりますが、その分変化とやりがいに満ちた仕事といえます。
自身の頑張りに応じて給与もアップするという点も魅力的です。
仕事を通して成長していきたいと思う人はぜひ挑戦してみてください。
ご相談事、お困りの事がありましたら、ぜひお気軽にお問い合わせください。