ABMの成功にインサイドセールスが欠かせない理由とは?事例や手順を紹介
ABM(アカウントベースドマーケティング)は特定の顧客アカウントに焦点を当ててアプローチするためのツール、もしくは手法のことで、インサイドセールスと深く関わりがあります。
そこで今回の記事では、インサイドセールスがABMの成功に不可欠な理由を深堀りし、実際の事例を通じて役割を明らかにします。
ABMを最大限に活用するための手順についても解説しているため、ABMの導入を考えている方は最後まで読んでみてください。
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目次
ABMとは?
ABM(Account Based Marketing:アカウントベースドマーケティング)とは、BtoB企業(アカウント)に対しておこなうマーケティング手法です。
またはABMを適切に行うためのツールのことを指します。
優良顧客となり得る顧客を見極め、顧客に合わせたアプローチで利益を最大化することを目的にしています。
自社に好意的なセグメントに幅広いアプローチをする手法ではなく、優先順位をつけて受注確度の高い顧客にアプローチするため、業務の効率化が期待できます。
追う企業と追わない企業を明確に区別することが可能です。
SFAやMAが普及したことにより、ABMも注目されるようになりました。
ABMにおけるインサイドセールス
ABMにおけるインサイドセールスには、以下の2つの型があります。
- アウトバウンド
- インバウンド
それぞれ解説します。
アウトバウンド
アウトバウンドは、テレアポやメールなど様々な手段で自社から顧客へアプローチする手法です。
ABMにおいてアウトバウンド戦略のキーとなるのは、ターゲット企業の特定のニーズや課題に合わせてカスタマイズされたメッセージを作成することです。
インバウンド
インバウンドは、顧客からの自発的な問い合わせに対してアプローチする手法を指します。
ABMでインバウンド戦略を効果的に活用するためには、ターゲットのニーズや課題を理解することが重要です。
ターゲットからの問い合わせやWebサイト上での行動を追跡し、それらのデータを分析します。
この情報を活用することで、ターゲットに対するアプローチをさらに最適化します。
ABMにインサイセールスが必要な理由
なぜ、ABMを実現するためにインサイドセールスが必要なのでしょうか。
その理由は、ABMを実施する際に以下の「BANTC」といわれる情報が必要となるからです。
- Budget(予算)
- Authority(決裁者)
- Needs(何を求めているか)
- Timeframe(導入時期)
- Competitor(競合)
これらの情報を得るために、定期的に顧客に電話やメールでアプローチをおこない顧客の購入意欲を高めるインサイドセールスが欠かせません。
商談をおこなう前にインサイドセールスで得た企業の課題や悩みを把握できるため、効果的な戦略を立てて最適な時期にABMを実行できます。
ABMをおこなうメリット3選
ABMがインサイドセールスに必要な理由がわかりました。
ではABMを実施するメリットは何でしょうか。
それは以下の3点です。
- 少ないリソースでアプローチできる
- 効果測定がおこないやすい
- 部署間での情報共有がしやすい
それぞれ解説していきます。
少ないリソースでアプローチできる
ABMを実施すると、少ないリソースで顧客にアプローチできます。
ABMはターゲットを明確に絞り込むことで、幅広い見込み顧客(リード)に対してアプローチするマーケティング手法に比べて人的リソースが少なく済むのです。
受注確度の高い顧客にアプローチできるため、より効果的なマーケティングが期待で
きます。
効果測定がおこないやすい
ABMは一般的なマーケティング手法に比べ、効果測定がおこないやすいこともメリットです。
ABMでアプローチする企業が明確に分かっており、どの企業がどのような行動を取ったかを把握しやすいためです。
ターゲットの行動分析を通じて効果を測定することにより、マーケティング戦略のための貴重なデータが入手できます。
特にメールマーケティングといった手法は効果測定がおこないやすく、スムーズにPDCAを回してマーケティング効果を上げることが可能です。
部署間での情報共有がしやすくなる
ABMをおこなうと営業部門やマーケティング部門など、部署間での連携がおこないやすくなります。
営業部門がフィールドセールスで得たリアルタイムの顧客情報と、マーケティング部門のデータ分析を組み合わせることがABMの成功には必須です。
それぞれの部門が独立していてはABMはうまく作用しません。
部署間の連携と協力で顧客のニーズにより的確に応えるマーケティング活動を実施し、ABMの効果を最大化させることが可能です。
インサイドセールスでABMを実施するステップ
インサイドセールスでABMを実施する手順は以下の通りです。
- 営業活動の戦略設計をおこなう
- ターゲット(企業)を選定する
- ターゲットにアプローチする
- 効果測定をおこなう
順に解説していきます。
ABMの実施ステップ1.
営業活動の戦略設計をおこなう
まずは営業活動における戦略設計をたてます。
優良ターゲット開拓において、戦略設計は重要です。
過去の取引履歴を参考に自社製品やサービスの受注量を把握し、社内で戦略を立てていきます。
戦略設計をおこなう際はKPI(重要業績評価指標)も設定しましょう。
ABMの実施ステップ2.
ターゲットを選定する
次に収集した顧客の情報をもとに整理・分析をおこない、興味関心度合いが高い優良ターゲットを選定(ターゲティング)します。
選定する際のポイントとしては、取引金額だけでなく自社への愛着心の高さなど、顧客に優先順位を付けて中長期的な視点を持つことも大切です。
優良ターゲットを選定するときは、前述した「BANTC」をもとに選びましょう。
ABMの実施ステップ3.
ターゲットのキーパーソンにアプローチをする
優良ターゲットが選定できたら、アプローチを開始します。
ABMでは意思決定権を持つ人物にアプローチすることが大事です。
ターゲットの組織構造を把握し、サービス購入に関して決裁権を持つ人物(キーパーソン)に商談のアポイントを取りましょう。
キーパーソンではない人物に提案してもなかなか承諾が下りず、商談が長期化する恐れがあります。
キーパーソンに話が上がる前に商談が中止される場合もあるため、ABMを実施するときは決裁権を持つ人物を見極めましょう。
ABMの実施ステップ4.
効果測定をおこなう
収集したデータを分析してどの施策が成功したのかを部署間で共有します。
うまくいかなかった施策は別の案を試すなど、PDCAを回していきましょう。
効果測定をしてブラッシュアップすることで、ABMの効果が最大化できます。
ABMを成功させるポイント
インサイドセールスでABMを実施する方法がわかりました。
では、ABMを成功させるにはどのようなことに注意すればよいでしょうか。
ポイントは以下の3点です。
- 精度の高いターゲットリストを作成する
- 最適なKPIを設定する
- ABMツールを活用する
それぞれ見ていきます。
精度の高いターゲットリストを作成する
ABMを成功させるには、精度が高く最新のターゲットリストが必要です。
ターゲットリストとは、営業において戦略的にアプローチをおこなうターゲットをリスト化したものです。
リサーチ不足だとターゲットの特定が難しくなり、問題が発生してしまう可能性があります。
ターゲットリストの質がABMの成果に直結するため、十分な情報を集めて完成させましょう。
精度の高いターゲットリストは、高いROI(投資利益率)の実現が可能です。
最適なKPIを設定する
営業活動の戦略設計をたてると同時に、その成果を測定するための最適なKPIも設定しましょう。
KPIは営業戦略が目指す具体的な目標や成果を数値で示し、その進捗を可視化するためのものです。
営業活動におけるKPIの選定と設定は、戦略の成功を確実にするための鍵となります。
新規顧客の獲得を主な目標とする場合、以下のKPIが考えられます。
- リード獲得数
- 初回ミーティングの数
- 契約締結までの平均日数
既存顧客のリテンション率の向上が目標の場合、以下が適切なKPIです。
- 顧客満足度
- リピート購買率
- 顧客生涯価値(LTV)
KPIはチーム全体で共有し、全員が目標達成に向けて取り組むことが大切です。
ABMツールを活用する
ABMの成功には、デジタルツールの選定と活用が重要です。
Excelを活用してもABMは可能ですが、手動でおこなうため膨大な手間と工数がかかってしまいます。
そのため収益性の高いターゲットにアプローチできるABMツールの活用がおすすめです。
ABMツールは単価を上げるなどの戦略で売り上げを最大化するほか、以下のようなメリットもあります。
- ターゲティングの精度向上
- 各部門とのスムーズな連携
- 機会損失の削減
ABMツールの一つに、株式会社ユーザベースの「FORCAS」があります。
MAやSFAツールと連携することで、顧客との関係をより強化し、その効果を高めることが期待できます。
公式サイトURL:https://www.forcas.com/
インサイドセールスでABMを実施した成功事例を紹介
ここからは、インサイドセールスでABMを実施して成功した以下の企業の成功事例を紹介します。
- ユーザベース
- NEC
- ウィルゲート
ぜひ参考にしてください。
ユーザベース
株式会社ユーザベースは、経済情報プラットフォーム「SPEEDA」を提供するテクノロジー企業です。
受注確度の高い顧客を可視化させる営業DXソリューション「FORCAS」を展開しています。
FORCASの受注が伸び悩んでいた時期にトップダウンでABMを導入することを決定し、営業とマーケティングを連携させてターゲットリストをすり合わせることで商談化率・受注率を倍近くに向上させることに成功したのです。
公式サイトURL:https://www.uzabase.com/jp/
NEC
NEC VALWAY株式会社(以下NEC)は2001年に創業し、1,000以上を超えるプロジェクト実績を持つ企業です。
NECには「受注獲得のためのインサイドセールス施策のスペシャリスト集団」がいて、インサイドセールスに重きを置いています。
2004年にBtoBのオウンドメディア「wisdaom」を立ち上げて一時は80万人強のメルマガ会員がいましたが、コンテンツマーケティングの競合が次々に登場し、勢力を落としていきました。
2016年にNECのコアなファン層を増やすため、「wisdaom」の抜本的な改革をおこないリードナーチャリングに取り組んだのです。
マーケティング・営業・インサイドセールスの各部門が密接に連携し、顧客情報を共有することで顧客の理解を深めることに成功しています。
公式サイトURL:https://www.necvw.co.jp/ja/
ウィルゲート
株式会社ウィルゲートは2006年に創業して以降、デジタルマーケティングとセールスの最前線で、企業の成長を加速させる様々なサービスを提供してきました。
マーケティング部門発足当時はABMの観点はなく、営業部門と連携がうまくとれていない状態でした。
そこでインサイドセールスの効率性を高め、ターゲットリストへの有効な手法を確立するためにABMの戦略を採用しメール配信をおこないました。
その結果セミナーの申し込みは約2倍に、クリック率は約3倍に増加しました。
公式サイトURL:https://www.willgate.co.jp/
インサイドセールス代行でリソース不足を回避しよう
本記事では、インサイドセールスでABMをおこなう方法を紹介しました。
ABMの実現にはインサイドセールスが欠かせないことがわかりましたが、導入がはじめての場合や成果につながらない場合は、インサイドセールスの経験豊富な外部に発注するのがおすすめです。
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