人材派遣で派遣できる業種とは?人材業界の基礎知識から専門26種までを徹底解説!

人材派遣
人材派遣で派遣できる業種とは?人材業界の基礎知識から専門26種までを徹底解説!
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人材派遣と一口に言っても、どのような業種が派遣可能なのか、また派遣禁止業務が存在するのかまで把握できていない方も多いかもしれません。
さらには人材派遣を含む人材業界には他に「人材紹介」や「人材広告」など様々な事業があることは理解しづらい部分でもあります。

本記事ではそんな基礎知識から、派遣可能・不可能な業種、また専門26種について詳細に解説します。
派遣について、また人材業界について詳しく知りたい方はぜひ参考にご活用ください。


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そもそも人材業界とは?

人材業界にいる女性のイメージ、志望動機などを確認している画像

本記事ではおもに「人材派遣」にスポットを当てて解説していきますが、そもそも「人材派遣」は「人材業界」の業種の一つだということを認識しておく必要があります。

人材業界・人材サービス業界とは、企業と求職者とをマッチングさせる業界を指します。
顧客企業のニーズに応じて人材を派遣したり、求職者に職業を紹介・斡旋したりする事業で、少子高齢化における人員不足の深刻化や、転職市場が活発になったことで人材の確保は企業の課題となっており、日本経済における人材サービス業界の役割・顧客企業のニーズはますます拡大しています。

人材業界(人材サービス業界)は、大きく分けると下記4種類の事業に分けられます。

  • 人材紹介
  • 人材派遣
  • 求人広告
  • 人材コンサルティング

人材業界を目指す方は各事業の違いを明確にしておきましょう。

人材紹介

一般に人材業界と言うと、「人材紹介」を指すことが多いとされています。

人材紹介とは、人材を求めている企業に対し求職者を紹介する仕事で、人材を集めて仕事をあっせんし、仲介手数料を派遣先企業から得るという業種です。
おもに正社員や契約社員などの人材を求めている企業に適切な求職者を紹介します。

企業側が求める人材を把握して求人票を作成する担当者はリクルーティングアドバイザーと呼ばれ、求職者と面談をして企業を紹介する担当者はキャリアアドバイザーと呼ばれます。
人材会社の中には、一人の担当者がリクルーティングアドバイザーとキャリアアドバイザーの両方を兼ねる場合もあります。

人材派遣

人材派遣とは、派遣元事業主が自社に登録している労働者の中から、顧客企業が求めるスキルを持つ人材を必要期間に応じて労働に従事させる業種です。

次の章以降で詳しく解説します。

求人広告

求人広告は、企業の求人情報をWebや求人情報誌などの自社メディアに掲載する業種を指します。

求職者は、目にした求人情報を通じて、自分が希望する会社の求人に応募する形式で、これにより企業とのマッチング機会を提供します。また場合によっては企業側が登録中の求職者情報を閲覧し、直接スカウトをかけることもあります。

人材紹介会社と類似点はありますが、人材紹介会社に比べると、企業にも求職者にも広く浅いサービスを提供する形となり、より手軽な点が特徴です。

人材コンサルティング

人材コンサルティングとは、企業の人事戦略や人事評価制度などに対して専門的なアドバイスを行う仕事です。人材採用分野にも関与することはありますが、主に行う業務は、企業にある既存の人事制度や人事評価制度、組織構造の見直しや再設計となります。
外部のコンサルタントとして助言を行うスタイルが基本ですが、中にはクライアント企業の人事部に常駐し、現場で指揮を取りながら人事課題の解決を目指す場合もあります。

人材派遣についての基礎知識

人材派遣は、自社に登録し雇用している労働者の中から、顧客企業が求めるスキルを持つ人材を必要期間に応じて派遣する業種です。

人材派遣においての定義

人材派遣に関する法律である「労働者派遣法」においては、
「自己の雇用する労働者を、当該雇用関係の下に、かつ、他人の指揮命令を受けて、当該他人のために労働に従事させることを業として行うこと」が人材派遣であると定義されています。

大きな特徴は、労働者は派遣先の会社で働きつつ、給料は自分が所属する人材派遣会社から支払われるという点です。

人材派遣業のシステムがもたらすメリット

人材派遣業のシステムや教育がもたらすメリットについてのイメージ

企業側にとっては、特定のスキルを備えた優秀な人材を低コストで確実に採用できることがメリットとなり、派遣される労働者にとってはより確実に希望の職業に就けることなどがメリットとなります。
人材派遣会社は一般事務職系のニーズが最も大きく、初心者から正社員へのキャリアアップも目指しやすいでしょう。

人材派遣の雇用形態

人材派遣のなかには無期雇用で契約する常用型派遣や、派遣期間後に直接雇用されることを前提とする、紹介予定派遣などがあり、派遣先企業と労働者、双方が納得すれば比較的柔軟に希望条件に対応してもらうことも可能です。

なお、人材派遣業は「日本標準産業分類」に基づき、「大分類」においてはサービス業に分類されます。(一般的に「業種」は日本標準産業分類の大分類のことを指します。)

人材派遣の未来

派遣事業の市場規模は、2021年6月時点では、2020年度売上で約8.6兆円、派遣社員数は約142万人に上るとされており、
少子高齢化や転職ニーズの増加の影響を受け、今後も日本経済における人材サービス業界の役割・顧客企業のニーズはますます拡大していくことが予想されています。

ただし、実際に派遣事業を始める場合には取得すべき認可や資格が存在するため、しっかりとした準備が必要です。

「人材派遣」についてより詳しく知りたい方は、こちらの記事を参照ください。

【関連記事】人材派遣とは?仕組みや特徴、人材紹介・業務委託との違いをわかりやすく解説!


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派遣が禁止されている業種

人材派遣のサービスは労働者派遣法で定められており、ほぼすべての職種の業務に従事可能とされていますが、その中でも一部、派遣が禁止されている業種が存在します。

労働者派遣法第4条と労働者派遣法施行令第2条によって、以下の業種(適用除外業務)においては派遣社員の受け入れが禁止されています。

  • 港湾運送業務
  • 建設業務
  • 警備業務
  • 医療関係業務
  • 士業(弁護士、司法書士、土地家屋調査士、公認会計士など)
  • 派遣先における団体交渉や協定締結など、労使協定の締結等のための労使協議の際に使用者側の直接当事者として行う業務

港湾運送業務、建設業務、警備業務に関しては、各業界の法律や制度によって派遣が一切禁止されています。

また弁護士や司法書士、社会保険労務士など、国家資格を取得し、専門知識を活かして業務を遂行する業種を士業と呼びますが、士業はクライアントから直接依頼を受けて個人的に業務を請け負うので、指揮を受ける立場にありません。従業員同士の意思疎通を図る必要性も出てくるため、士業や医療関連機関の業務は派遣禁止の対象になりました。
ただし、行政書士や税理士、公認会計士などは一部で派遣が認められる例外があります。

派遣できる業種

上記で挙げた業務以外なら、基本的にすべての業務について人材派遣を行うことができます。

人材派遣が許される業務については、登録型の一般労働者派遣事業も、常用型の特定労働者派遣事業も全く同じで、人材派遣業は大きな可能性を持つ事業にまで成長しています。

専門26業種とは

2015年の派遣法改正の際に大きく話題になった「専門26業種」という言葉を聞いたことがあるでしょうか。
「専門26業種」とは、個の技術やスキル、経験によって仕事の成果が大きく変わってしまうような専門性の高い仕事を指します。

人材派遣では、通常一定の期間で雇用契約を結びますが、派遣法では、派遣社員を受け入れられる期間は最長3年間と決まっています。
つまり契約更新をするのは3年が最長とされています。

しかし実は以前までは、専門26業種に限り例外で、上限3年のルールが撤廃されており、3年を超えても受け入れて良いというルールで運用されていました。

2015年の法改正によってその専門26業種に関する制度は廃止となりました。専門26種が以前ほど専門的な職種であるといえなくなったことに加え、派遣期間制限がないことを利用した雇用主が、派遣労働者の正規雇用を拒むケースが頻発したことが廃止となった経緯です。

とはいえこの「3年ルール」は、3年経過したらそこで契約を終了すべし、という意味ではありません。一つの会社で派遣社員を3年以上受け入れる場合、雇用継続終了を防止する措置を講ずるべき、という認識であり、専門26業種であってもその他の仕事であっても、就業期間に制限を設けて雇用するのは3年を上限にするべきといった政府の意図が背景にあります。

派遣の専門26業種としては以下の仕事が指定されています。

  • ソフトウェア開発
  • 機械設計
  • 放送機器等操作
  • 放送番組等演出
  • 事務用機器操作
  • 翻訳、通訳、速記
  • 秘書
  • ファイリング
  • 調査
  • 財務処理
  • 取引文書作成
  • デモンストレーション
  • 添乗
  • 建築物清掃
  • 建築設備運転点検・整備
  • 案内・受付、駐車場管理等
  • 研究開発
  • 事業の実施体制等の企画・立案
  • 書籍等の制作・編集
  • 広告デザイン
  • インテリアコーディネーター
  • アナウンサー
  • OAインストラクション
  • テレマーケティングの営業
  • セールスエンジニアリングの営業
  • 放送番組等における大道具・小道具スタッフ

人材派遣好調の背景「同一労働同一賃金」の施行

経済センサスにおいて同一労働同一賃金が施行されているかの調査がおこなわれるイメージ画像

厚生労働省の「令和2年度 労働者派遣事業報告書の集計結果(速報)」によると、2020年度の派遣労働者数は約193万人で、前年度比4.9%増とされています。
この人材派遣業界好調の背景には、2020年4月1日のパートタイム・有期雇用労働法と労働者派遣法の改定により施行された「同一労働同一賃金」の影響があります。(パートタイム・有期雇用労働法は、中小企業のみ2021年4月1日より施行)

「同一労働同一賃金」とは、同一企業・団体におけるいわゆる正規雇用労働者(無期雇用労働者)と非正規雇用労働者(有期雇用労働者、パートタイム労働者、派遣労働者)との間の不合理な待遇差の解消を目指すルールを指します。

これにより派遣労働者の賃金・待遇が圧倒的に改善され、どのような雇用形態を選択しても納得が得られる処遇を受けられるようになり、結果的に人材サービス事業者の売り上げアップにも繋がったとされています。


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更なる拡大が見込まれる人材派遣業

新型コロナウイルス感染症の流行拡大で有効求人倍率(新規学卒者を除き、パートタイムを含む数)は低下したものの、厚生労働省の一般職業紹介状況(職業安定業務統計)によると、2022年以降徐々に回復の傾向が見られています。

これにより国を挙げてのDX推進やリモートによる業務対応が社会に浸透したことで、在宅専門の派遣・フリーランス・業務委託などの人材を雇用したりする企業が増加しています。

人材派遣、ひいては人材業界は、今後も幅広い業界でより柔軟な雇用形態の人材紹介を求められ、活躍フィールドが広がっていくでしょう。
法改正では派遣労働者の安定した雇用と生活の維持を促進することが盛り込まれており、今後もより働きやすい環境の整備が期待されています。

派遣法は時代によって変化していくものです。今後も市場に合わせて改正される可能性は考えられるでしょう。専門性の高い分野のため、専門家を活用するのがおすすめです。
疑問点のある方はぜひ弊社にお気軽にご相談ください。

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